- 無月経
- 月経不順
- 月経前症候群(PMS)
- 月経困難症
- 性感染症
- 子宮内膜症
- 不妊症
- ポリープ(頸管・内膜)
- 子宮筋腫
- 不正出血
- 子宮癌
- 乳癌
- 更年期障害
- 閉経期障害
- 骨粗しょう症
- 膣炎
- 尿もれ
- 頻尿・残尿感
- 膀胱炎
無月経
無月経には、原発性無月経と続発性無月経があります。
- 原発性無月経
- 満18歳を過ぎても月経を見ないものをいいますが、実際には15歳までに初経のみられないものは5%以下と考えられています。臨床的には16歳を過ぎて初経の見られない場合は何らかの異常があるものとして、積極的に検査を進めるべきであります。
- 続発性無月経
- 規則的に反復して発来していた月経が停止した状態をいい、生理的無月経と病理的無月経に大別されます。妊娠、分娩に伴う無月経および閉経後の無月経は生理的無月経であり、それ以外の無月経が治療の対象となります。
診断方法は?
原発性無月経の場合には染色体異常や解剖学的異常を伴っていることがありますので、染色体検査や超音波検査をすることがあります。ふつう、血液中のホルモン値を測定したり、時にはホルモン負荷検査を行い、無月経の原因を調べます。
治療方法は?
無月経の原因や患者さんの年齢、背景、妊娠希望の有無などにより異なってきます。ふつう、ホルモン療法が行われますが、排卵誘発剤や漢方薬を用いることもあります。
当クリニックでの診療方法
まず、無月経の原因を調べることが大切と考え、問診、内診、超音波の検査および血液中のホルモン測定をし、患者さんに応じた治療法を選択します。中・高校生年齢の場合には、初診時にお母さんが同伴していただく方が良いかと思われます。
月経不順
月経周期(月経開始日から次回の月経開始日までの日数)が、ばらばらで一定していない状態をいいます。視床下部-下垂体-卵巣系にホルモン異常があることが多いですが、高プロラクチン血症や甲状腺機能異常によるケースもあり内分泌検査を行い原因を調べることが、大切です。来院される際には、基礎体温を1~2ヶ月間記録したものを持参していただけるととても参考になります。
月経前症候群(PMS)
月経の1週間くらい前から、心身の不調を感じる女性が多く、日常生活が障害されるほど強くなった場合を、月経前症候群(PMS)といいます。どんな症状が現れるのでしょうか?
- 身体症状
- 下腹部痛、乳房痛、腰痛、頭痛、顔や手足のむくみ、体重増加、便秘、ニキビができやすくなるなど
- 精神症状
- イライラする、怒りっぽくなる、気分が落ち込む、集中力がなくなるなど。
PMSの症状は、月経がはじまると自然に消えるのがふつうです。原因にはさまざまな説がありますが、排卵後に分泌される黄体ホルモンが関係し、精神的なストレスによって症状が強くなることは確かです。PMSには個人差があり、また同じ女性でも周期によって変動することが多いようですが、時にはその症状のために人間関係や仕事に支障をきたすことがあり、社会生活に重大な影響を及ぼす場合があります。
PMSの治療法は?
PMSの治療には薬物療法と、薬を使わない非薬物療法があります。
- 薬物療法
- 身体症状に対してはピルなどのホルモン剤や漢方薬を服用すると症状が軽くなります。また、ビタミンEの一種であるトコフェロールやエクオールを含んだサプリメントも有効です。イライラや情緒不安定、憂うつ感などの精神症状に対しては精神安定剤や抗うつ剤が効果があります。
- 非薬物療法
- PMSはストレスによって症状がつよくなるので、ストレスをためない工夫がPMSを改善するコツです。例えば食習慣を見直し栄養のバランスのとれた食事を規則正しくとるようにしましょう。睡眠時間は十分にとり、目が覚めたときぐっすり眠ったと感じられる良質な睡眠を心がけましょう。それから軽い運動を適度につづけるとPMSが改善します。そして自分なりのストレス解消法をみつけましょう。
月経困難症
月経時に程度の差はあるものの、下腹部痛などの苦痛の強いものをいいますが、頭痛、腰背部痛、けだるい吐き気、嘔吐を伴う症状の複合体です。
- 機能性月経困難症
- 未熟発育子宮や子宮後屈などが原因でおこります。
- 器質性月経困難症
- 初経以来無症状であったものが器質的疾患の発現によりおこる月経困難症です。骨盤内子宮内膜症や子宮腺筋症、子宮筋腫などが原因となります。
治療方法は?
機能性の場合は、LEP製剤(ピル)が有効です。最近では黄体ホルモンから造られたジエノゲストは副作用も少なく長期服用が可能であり治療薬の主流となっています。続発性の場合は上記対症療法に加えて、原因と思われる器質的疾患に対しての治療をおこないます。
当クリニックでの診療方法
月経困難症の原因によって治療法は異なりますが、当クリニックではそれぞれの症状、年齢、重症度に応じて治療法を選択します。もちろん器質的疾患の発見につとめ、それらを認める場合には原疾患にたいしての治療もおこなっています。
性感染症
性行為を介して感染する病気のことで、梅毒や淋病がよく知られていますが、最近ではHIVやクラミジアといった新しい性病が増加しています。
- 梅毒
- トレポネーマによる感染症で、初期に皮膚症状(バラ疹)やそけいリンパ節が腫れて痛みますが、この時期を過ぎると自覚症状はほとんどなくなり、進行すると血管、神経、脳が犯されます。血液検査によって感染の有無を調べ、抗生物質で治療します。
- 淋病
- 淋菌による感染症で、男性では排尿痛が強く、尿道から膿がでます。女性では帯下(おりもの)が増える程度ですが、子宮腔内~卵管へ感染が及ぶと激烈な炎症を引き起こして不妊症の原因になります。 膣分泌物培養検査で調べ、抗生物質で治療します。
- HIV
- HIVウイルスによる感染症。血液検査で抗体の有無を調べます。現在のところ有効な根治療法はありません。
- クラミジア
- クラミジアトラコマティスという原虫による感染症で、最近若い人を中心に急増しています。男性は尿道炎症状を認めますが、女性は帯下の増加程度です。しかし、子宮腔内から卵管へ感染が及ぶと激しい炎症を起こし、卵管閉塞や卵管周囲癒着をきたし、不妊症の原因になります。ふつう子宮頚管部を綿棒でこすってクラミジアの有無を調べ、抗菌剤を用いて治療します。
子宮内膜症
子宮の内膜は、子宮内膜という粘膜でおおわれており、卵巣からの女性ホルモンの働きにより、周期的に出血(月経)をくりかえしています。子宮内膜症は、この内膜と同様の組織が、子宮腔内以外の場所で増殖(異所性増殖)する疾患です。原因はまだはっきりと解明されていませんが、卵巣から女性ホルモンが出ている間は症状が悪化します。
どこに起こるのですか?
子宮内膜症は、卵巣や腹膜をはじめ、体の色々な所で起こります。例えば卵巣内に血液を貯めたのう腫(チョコレートのう腫)ができたり、直腸や子宮後壁の表面を覆っている腹膜や子宮筋層に発生することが多く、まれに膣壁や肺にできることもあります。
どんな症状が現れるのでしょうか?
代表的な症状は、月経痛です。その他に主な症状として、腰痛、性交痛、不妊などがあります。普通、20~30歳代で発症し、月経がある間は症状が進み、40歳代後半にはかなり悪化していることがあります。
診断方法は?
通常、臨床的には、問診、内診、超音波、および血液検査などにより、子宮内膜症と診断し、治療を開始しています。正確な診断をするために、腹腔鏡などで直接みて、判断する場合もあります。
治療法には、どんな種類のものがありますか?
以下の3種類の方法があります。
- 薬物療法
- 手術
- 薬物療法と手術の併用
患者さんの年齢、妊娠希望の有無、症状の程度などにより、治療法を選択します。薬物療法では、主としてホルモン剤が用いられますが、注射、錠剤、点鼻薬などがあります。手術による場合は、開腹手術と腹腔鏡下手術がありますが、若い人や子供を欲しがっている人には卵巣と子宮を残す保存療法をおこないます。
当クリニックでの診療方法
院長は、大学病院勤務時より、数多くの子宮内膜症の患者さんの治療にたずさわって参りました。その経験を元に、的確な診断を心がけ、治療にあたっては、症状、年齢、患者さんそれぞれの家庭的あるいは社会的背景を考慮し、よく話し合った上で治療法を選択しています。
不妊症
不妊症とは、子供がほしいと努力しているのに、1年以上たっても妊娠しない状態を言います。日本では夫婦6組に1組が不妊症といわれています。近年、女性の社会進出による晩婚化、出産年齢の高齢化、子宮内膜症やクラミジア感染症の増加により、以前に比べて不妊原因が増加しています。また、環境ホルモンや精神的ストレスにより精子数の減少や運動率の低下といった男性側の原因も急増しているのが実情です。
不妊症の検査とは?
不妊症の治療に先立ち、まずカップル両方の原因を調べる事が大切です。
- 女性側
- ホルモン検査 ・基礎体温の測定:排卵機能の検査
- 子宮卵管造影検査:子宮奇形や卵管の通過性を調べる検査
- クラミジア感染症の検査
- 超音波断層法(エコー)による卵巣や排卵の状態の検査
- 子宮内膜症・子宮筋腫の検査
- フーナーテスト(性交後試験):夫婦生活翌朝の頚管粘液内の精子の状態を調べる検査
- 男性側
- 精液検査:精子数、運動率、奇形率など
不妊症の治療法
- 一般不妊治療
- タイミング法:男性因子に問題の無い場合は、エコーで自然の排卵を予測したり排卵誘発剤で排卵させて夫婦生活のタイミングを合わせる
- 人工授精(AIH):精子の状態がよくない場合は、子宮の中に洗浄濃縮した精子を注入することで妊娠率が向上します。2022年以降保険適用になりました。 排卵後の黄体期不全に対しては、ホルモン剤や漢方薬を用いて改善をはかり着床しやすく、かつ流産しにくい工夫をします。子宮内膜症や子宮筋腫があり手術が必要なケースには、近くの病院と連携して治療します。その際、腹腔鏡下手術が中心となります。
- 高度生殖医療による不妊治療
- 両側卵管閉塞や重症の子宮内膜症、不妊期間が長く原因が特定できないカップル、または数回の人工授精(AIH)をしたが妊娠しないケースに対しては、IVF-ET(体外受精胚移植法)や顕微授精が必要となります。2022年以降43歳未満の方には保険適用になりました。高度生殖医療の必要な方(両側卵管閉塞、高度男性不妊など)や難治性不妊で高度生殖医療を希望される方には信頼置ける他施設を紹介させていただきます。
ポリープ(頸管・内膜)
頸管ポリープ
頸管ポリープは頸管粘膜の一部が過度に増殖して、あたかもキノコのような形に発育したもので真の腫瘍ではありません。茎に相当する部分が細長く伸び、ポリープの先端は外子宮口から膣内へと下垂します。大きさは種々で、大きくなっても指頭大を超えることはありません。
- 症状
- ポリープは柔らかく、表面は赤みを帯び、出血しやすく、月経と月経の間に少量の出血を認めるとか、接触、とくに性交の後や排尿、排便時に限って出血するとの訴えが多いです。
- 治療
- ポリープを切除すればよく、治療は容易であります。切除後再発をよく認めますが、悪性変化はきわめてまれです。
内膜ポリープ
子宮内膜の一部が過度に増殖してキノコ状に発育したものですが、筋組織は含まれておらず、粘膜下筋腫とは異なります。膣式エコーでその存在を認めることがほとんどですが、子宮鏡検査で発生部位や筋腫あるいは体癌との鑑別が必要な場合もあります。最近、不妊症との関わりを指摘する意見もあり、不妊症の方では、積極的に切除することが多いです。
- 症状
- 月経以外の不正出血、月経血量の増加。ポリープが多数発生しますと、過多月経が顕著となり、貧血症状が出現します。
- 治療
- 子宮内視鏡下に切除します。普通は局所麻酔程度で大丈夫ですが、未産婦では静脈麻酔下に行うこともあります。切除時の出血はふつう少量ですから、15分ほど休んで帰宅していただきます。
子宮筋腫
子宮の平滑筋から発生する良性腫瘍であり、一般には性成熟期婦人の15~20%に存在するといわれています。発生の部位により粘膜下筋腫、筋層内筋腫、 漿膜下筋腫などに分けられます。原因はまだ十分にわかっていませんが、女性ホルモン(エストロゲン)により発育しますので閉経すると自然に小さくなることが多いのです。
好発年齢は?
子宮筋腫は、婦人科の腫瘍の中で、最も頻度の高い病気で、30歳以上の女性の20~30%に存在します。最も多いのは40歳代、次いで30歳代、50歳代となり、子宮筋腫の80%は35~50歳代の中年女性です。
どんな症状が現れるのでしょうか?
無症状の場合も少なくありません。主な症状は、筋腫が大きくなるにつれて、月経量の増加や月経期間の延長などの月経異常、不正出血、貧血、排尿障害(主に頻尿)、便秘、腰痛などです。また、不妊症や流産の原因になることがあり、異常分娩につながることもあります。一般に漿膜下、筋層内、粘膜下の順に症状が強くなっていきます。
診断方法は?
子宮筋腫は、ふつう、問診、外診、内診で、ほぼ診断できますが、さらに詳しく調べるため画像診断がおこなわれます。画像診断として、通常、超音波検査をおこないますが、必要に応じて、CT検査、MRI検査、子宮卵管造影、子宮鏡検査がおこなわれます。
治療方法は?
患者さんの年齢、症状、筋腫の位置や大きさ、妊娠希望の有無などを考慮して、経過観察、薬物療法、手術療法の3つの方法があります。小さな筋腫でとくに症状のないもの、あるていどの大きさと症状はあっても閉経がちかいもの、あるいは閉経後のものなどは、定期的に経過観察します。薬物療法には注射薬、点鼻薬、内服薬があり、基本的に投与中に生理は来ません。筋腫核の大きさ、発生部位、挙児希望の有無、年齢などを考慮して治療薬を選択します。手術は、筋腫が大きい場合や、小さくても症状が強い場合、また、筋腫が原因で不妊や流産がおきている可能性がある場合に行います。
当クリニックでの診療方法
患者さんの家庭環境や社会環境を考慮し、よく話し合った上で前記に則して治療法方を選択しています。特に粘膜下筋腫に対しては、子宮鏡検査を行い、筋腫の大部分が子宮腔内に突出している場合には子宮鏡で診ながら摘出します。
不正出血
月経時以外にみられる性器出血のことをさします。原因により器質的な出血と機能的(内分泌的)な出血に分けられます。
- 器質的な原因による不正出血
- 子宮口にできるポリープや出血しやすいビランが原因の場合は比較的少量で、性交時によくみられます。粘膜下筋腫や内膜の増殖による出血は、月経に引き続きみられる事が多く、量も少量から多量まで様々です。子宮癌による出血は、子宮頸部癌の場合はかなり進行してからみられるのがふつうです。一方、子宮体癌の場合は初期あるいは前癌状態の段階でもしばしば出血します。
- 機能的な原因による不正出血
- 卵巣からの女性ホルモンの分泌異常や失調によっておこる不正出血で、いわゆる機能性子宮出血と呼ばれるものです。月経に引き続き出血したり、排卵前後あるいは月経前に出血することもあります。月経周期ごとに繰り返すこともあります。
診断方法は?
癌や妊娠にまつわる出血を見落とさなければ大事にいたることは少ないです。内診、超音波検査、子宮内視鏡検査、内分泌検査、病理検査、などにて診断します。
治療方法は?
不正出血の原因により異なります。機能性出血に対してはふつうホルモン剤あるいは止血剤を用います。器質的な原因による出血に対しては手術が必要なこともあります。
当クリニックでの診療方法
子宮腔内からの出血には、正確な診断をするために必要があれば子宮内視鏡検査を積極的に行っています 。
子宮癌
好発年齢は?
30歳代後半から60歳代。しかし、近年若年者(20歳代後半から30歳代前半)の子宮癌が増えています。
症状は?
褐色帯下や性器出血を認めますが、頚部癌の初期では無症状のことが多く、体部癌では前癌状態の段階でも出血をみることが多いようです。
診断方法は?
まず細胞診ですが、いわゆる癌検診はこれに当たります。細胞診で異常を認めた場合には組織診を行います。その際に膣拡大鏡や子宮内視鏡を用いればより正確な診断に役立ちます。CTスキャンやMRIは癌の進行度と転移部位を調べる時に用います。
治療方法は?
手術療法、化学療法、放射線療法があります。年齢、組織型、発生部位にて治療方法を選択します。初期の頚部癌に対しては、開腹せずにレーザー治療を行うこともあります。
当クリニックでの診療方法
『癌は見つけるべきもの』という考えから、積極的に細胞診を行うようにしています。とくに体部癌に対しては子宮内視鏡を用いて見逃さないように努めています。
※当院は奈良県の子宮癌検診(助成有り)の指定医院です。
乳癌
近年、食生活や生活習慣の変化にともない、乳癌の罹患率が、増加しています。一方最近では、早期発見された場合には、縮小手術が行われ、乳房を全摘出することがなくなりました。触診のみの乳癌検診は、疑問視され、エコー検査や乳房撮影(マンモグラフィー)をすることにより、早期発見できる可能性が高まります。
当クリニックの診療方法
出きるかぎりエコー検査を実施し、早期発見に努めてます。異常のあった場合は、近くの専門医(外科医)の病院と連携しておりますのでご安心下さい。
更年期障害
診療のご案内ページの更年期障害の欄をご参照ください。
閉経期障害
閉経後2年以上たちますと、卵巣からの女性ホルモンの分泌は、ほとんどなくなります。更年期にみられた心と身体のさまざまな症状が引き続いて認められますが、とくにエストロゲン欠落による症状や疾患にかかりやすくなります。
- 外陰部や膣粘膜の萎縮により、膣炎になりやすくなったり、尿や石鹸がしみるなどの症状が現れます。また、性交痛をともなう性交障害の訴えも多くみられます。
- 骨密度(骨量)の減少により、骨粗鬆症がすすむと骨折しやすくなります。全国に70万人はいるといわれる、寝たきり老人の原因第3位は、骨粗鬆症による骨折です。
- 血液中のコレステロールや中性脂肪が増えて、動脈硬化を助長し、心筋梗塞や狭心症などの虚血性疾患をおこすことがあります。
上記(1)(2)(3)にたいしては、やはりホルモン療法が治療の中心になるとおもわれます。
骨粗しょう症
骨を作っているカルシウム等が極端に少なくなり骨がスカスカとなって骨折しやすくなる状態をいいます。
骨粗しょう症はなぜ女性に多いのですか?
骨粗しょう症は女性に多く高齢女性の大半がこの病気にかかっていると考えられています。その原因は以下などがあげられます。
- 女性はもともと男性に比べて骨量が少ない事(男性の約80%)
- 妊娠、出産、授乳でカルシウムを多く消費する事
- 閉経後に骨量を維持する作用のある女性ホルモン(エストロゲン)が急激に低下する事
骨粗しょう症の症状は?
かなり症状が進行しないと自覚症状はあらわれません。「背骨が痛む」 「背が低くなった」 などの自覚症状のある方は医師に相談してください。
骨粗しょう症の危険因子
- 閉経している。
- 高齢である。
- 近親者に骨粗しょう症の人がいる。
- やせている。
- 運動不足で筋肉の発達が悪い。
- 日光に当たらない。
- 偏食、とくにカルシウムの摂取が少ない。
- 下痢をしやすい。
- 副腎皮質ホルモン(ステロイド)を服用している。
- たばこをたくさん吸う。
- お酒をたくさん飲む。
- 精神的ストレスが多い
骨粗しょう症の診断方法は?
骨塩定量検査の測定をします。骨密度装置は超音波検査を使用していますので安心して受けていただけます。検査は足を足置き台に乗せるだけで、スピーディーに測定できます。
骨粗しょう症の治療は?
- カルシウム剤の服用
- ビタミンDの服用
- ホルモン補充療法(HRT)
- その他の薬物療法
閉経直後から10年後くらいまではエストロゲン欠落症状である更年期障害、泌尿生殖器症状を考慮してエストロゲンを中心とした薬物療法を行い、その後はエストロゲンを継続してもよいし、あるいは他の薬剤に変更してもよいと思います。
骨粗しょう症予防のポイント
- 適度な運動をこころがける
- 運動によって適度な刺激や圧力を受けるほど、骨のカルシウムが増えて丈夫になります。戸外のウォーキングや軽い筋力トレーニングをおすすめします。ウォーキングは速目の速度で一日30分以上を目標に実行してみましょう。
- 食生活
- バランスのよい食生活を心がけ、とくに、カルシウムを積極的に取りましょう。「カルシウムを多く含む食品」には牛乳・乳製品、野菜、小魚、乾物、豆類などがあります。骨粗しょう症予防のためには少なくとも一日800~1000mgのカルシウムを摂取しましょう。
膣炎
膣粘膜の炎症によっておりものが増加し、かゆみや痛みをともないます。原因によって以下のように分類されます。
- 細菌性膣炎
- 大腸菌、ブドウ球菌、レンサ球菌などの一般細菌の感染によっておこります。おりものは黄色で嫌なにおいを伴います。膣洗浄と抗生物質の膣剤を用いて治療します。
- カンジダ膣炎
- カンジダ菌(カビの一種)が原因となり白色ないし黄色のおりものが増え、その中に酒カス状のモロモロをみとめます。ふつう、外陰部の炎症を伴いかゆみがあります。 抗生物質を服用した後になることもあります。治療は膣洗浄と膣剤を用いますが、外陰部のかゆみに対しては塗り薬も併用します。
- トリコモナス膣炎
- トリコモナス原虫が原因で嫌なにおいを伴った黄色いおりものが増え、外陰部のかゆみを伴うこともあります。ふつう性交で感染しますが、お風呂やサウナなどでもうつることがあります。治療は膣洗浄と膣剤を用いますが、同時にセックスパートナーの治療も必要となり、その際には内服薬を用います。
- 萎縮性膣炎
- 以前は老人性膣炎と呼ばれ、卵巣ホルモンの欠落によっておこり細菌感染や外陰部のヒリヒリ感を伴います。治療は女性ホルモンの膣剤や内服(ホルモン補充療法)によっておこないます。
尿漏れ
自分の意思と関係なく尿が漏れてしまう「尿漏れ、尿失禁」は適切な治療で症状を改善できます。40代からの多くの女性が、「恥ずかしいから・・」と受診をためらってしまうようですが、早めに医師に相談してみましょう。当院では問診や尿検査、超音波検査などを行い、諸症状を改善するための薬を処方させていただきます。尿漏れのタイプには、以下の2つがあります。
- 腹圧性尿失禁
- 咳、くしゃみやお腹に力を入れたときに尿が漏れる症状です。原因は骨盤底筋のゆるみが関係しています。出産や肥満などで尿道が下がり尿道を締める力が弱まると腹圧がかかって尿が漏れるのです。骨盤底筋を鍛えるために骨盤底筋体操が有効です。薬物療法には尿道を締める薬を用い、体操との併用で症状の改善が期待できます。
- 切迫性尿失禁
- 突然の強い尿意により、トイレまで我慢できず尿を漏らしてしまうという症状で、高齢者に多くみられます。膀胱炎などの疾患がない場合、過活動膀胱である疑いがあります。腹圧性尿失禁を合併している場合もあり、40代から年齢とともに増加する傾向にあります。
一人で悩まず、相談を…
一人で悩まず、医師と相談して自分にあった治療をし、不安のない毎日を送りましょう。体操や薬でコントロールし、症状が改善したら薬の量や回数を減らすなど、医師と相談しながら上手につきあっていきましょう。薬局で色々な種類の尿漏れパッドも購入できます。生理用パッドは尿漏れパッドとは素材が異なり、不適切ですので注意しましょう。自分に合ったものを探して活用するのも良いでしょう。
頻尿・残尿感
頻尿・残尿感を感じる方は、以下の2つの病気が考えられます。症状のある方は、早めの来院をおすすめします。
- 膀胱炎
- 尿道から細菌が膀胱内に侵入し膀胱粘膜に炎症をきたした状態です。ふつう排尿時に膀胱の痛みを伴います。治療は抗生物質や抗菌剤の内服薬を用います。
近年、間質性膀胱炎という病気がクローズアップされるようになりましたが、これは膀胱粘膜ではなく、少し深い部位の間質部に炎症をきたす疾患です。頻尿を認めますが膀胱に尿が貯まると膀胱に痛みを感じるようになります。抗生物質は無効で専門医の検査治療が必要となります。 - 過活動膀胱
- 女性に多く、40歳以上の日本人の12.4%が過活動膀胱を有するといわれています。一日の排尿回数が8回以上、尿意切迫感が週1回以上あれば過活動膀胱と診断されます。主な治療は、抗コリン剤という内服薬でも、かなりの割合で効果があります。副作用が少なく、治療効果の高いお薬です。当クリニックでも処方しておりますので、お気軽にご相談ください。