ミレーナ52㎎とは
ミレーナ52㎎は、黄体ホルモンを子宮の中に持続的に放出する子宮内黄体ホルモン放出システムです。形状やサイズは従来の子宮内避妊用具とほとんど変わりませんが、内在された黄体ホルモン(レボノルゲストレル)が少しずつ放出されるようになっており、5年間有効です。
どのような症状の方に効果があるのか?
過多月経(保険適用)
いわゆる生理の量が多い方です。ナプキンが1時間もたないほど経血量が多い、経血の中にレバーのような血の塊がある、などの症状がある場合は「過多月経」がうたがわれます。 過多月経になると経血量が多くなるため「鉄欠乏性貧血」をともなうことが多く、めまいや立ちくらみ、疲れやすいなどの症状があらわれます。
月経困難症(保険適用)
生理痛がひどくて起きていられないようになり、学校や仕事に行けなくなったり、日常生活に支障をきたしたりする場合を月経困難症といいます。月経困難症には原因となる病気のない「機能性月経困難症」と、子宮筋腫、子宮内膜症および子宮腺筋症などの病気が原因となっている「器質性月経困難症」があります。
避妊を希望される方(自費)
ミレーナ52㎎から放出される黄体ホルモンは、子宮内膜の増殖を抑える働きがあるため、内膜は薄い状態となり、妊娠の成立(受精卵の着床)を妨げたり、子宮の入り口の粘液を変化させて精子が膣の中から子宮内に侵入するのを妨げたりすることで避妊効果を発揮します。それでも100%妊娠が防げるわけではありません。1年間に妊娠する確率は約500人に1人(0.2%)です。
なお、ミレーナ52㎎を避妊のために使用する場合には、保険は適用されません。
また、子宮口から挿入するため、経腟分娩経験者が適応となります。
(バイエル薬品株式会社公式HPより引用の画像)
ミレーナ装着後に注意すること
ミレーナ52㎎を装着後、次のような副作用が起こることがあります。症状が長く続くときやひどい場合は医師に相談してください。
- 月経出血日数の延長
- 月経時期以外の出血
- 月経周期の変化
- 腹痛・おりもの
また、まれにミレーナ52mgが抜けてしまうことがあります。その場合も直ちに受診して下さい。
ミレーナ52㎎の使用を開始してから数か月間は多くの女性に月経時以外の出血が見られることがあります。しかし、通常は時間の経過とともに減少します。
ただし、前回の月経から6週間以内に月経が起こらない場合や、吐き気、嘔吐、食欲不振などのつわりのような妊娠を疑う兆候があらわれた場合は、直ちに受診してください。
定期検診について
ミレーナ52㎎を適切に使用していただくために、ミレーナ52㎎の位置や出血の状況などを確認する定期検診はとても重要です。次の時期に必ず検診を受けてください。通常は装着の1か月後、1年後、それ以上は状況に応じ、1年に1回以上の検診をお勧めします。 また、装着後5年を超えないうちに交換・除去する必要がありますので、4年目・5年目の定期健診の際に、交換・除去のタイミングについて相談しましょう。